魅惑のリズムにのせて
見つめあいながら
ジャヴァを踊るとき
ひとつに溶けあう体
この踊りに勝るものは
世界中どこにもない
それは青色のジャヴァ
戦前のフランス・シャンソン界で活躍した Fréhel フレエルが、感情豊かに歌いあげる「La Java bleue 青色のジャヴァ」。
軽快な三拍子のリズムと優雅なメロディにのせて、踊ることの喜びと情熱的な束の間の恋を描いた作品です。
80年以上経った今も多くのアーティストたちによって歌いつがれ、人々に愛されつづけている名曲を聴きながら、
当時のパリ庶民の社交生活に思いを馳せてくださいませ。
「La java bleue 青色のジャヴァ」ってどんな曲?
★作詞 Vincent Scotto ヴァンサン・スコット
★作曲 Géo Koger ジェオ・コゲール & Noël Renard ノエル・ルナール
★歌 Fréhel フレエル
★発表年 1938年
★Karafun 収録曲
歌詞はこのような内容です
青色のジャヴァ
この世で一番美しいダンス
魅惑的なジャヴァを
見つめあいながら踊るとき
喜びのリズムにのせて
体がひとつに溶けあう
世界中どこにも
この踊りに勝るものはない
それは青色のジャヴァ
バル・ミュゼットには甘い空気が流れ
人々は心騒いで
胸をときめかす
小さなステップで
愛する人を抱いて踊りながら
アコーデオンの音色に耳を澄ませ
震える声でささやく
愛しい人よ
この腕の中で
もっと強く君を抱きしめたい
君の体の温もりとその記憶を
胸に深く刻むために
一瞬の熱狂の中で
どれだけ約束や誓いを交わしても
愛に満ちた誓いは
永遠には続かないとわかっているから
青色のジャヴァ
この世で一番美しいダンス
魅惑的なジャヴァを
見つめあいながら踊るとき
喜びのリズムにのせて
体がひとつに溶けあう
世界中どこにも
この踊りに勝るものはない
それは青色のジャヴァ
戦前のパリ庶民に親しまれたバル・ミュゼット文化の名曲です
歌詞に出てくる『Bal musette バル・ミュゼット』は、人々が日々の暮らしを忘れて酒を酌み交わしながら語らい、踊りに興じた庶民的なダンス酒場のこと。
そこで踊られるワルツ・ミュゼットやタンゴ・ミュゼットなど、アコーデオン中心の軽快な伴奏で踊る大衆的な社交ダンスや音楽は、
20世紀初頭のパリの庶民文化を象徴するほど大流行して、人々の暮らしや恋を彩りました。
そのひとつである『Java ジャヴァ』は、身体をピタリと寄せあって踊る速いテンポの官能的なワルツ。
週末の夜になると人々は街角のバルに集い、アコーデオンの音色にあわせて踊りに興じたものでした。
明るく軽やかなメロディの中に、どこか懐かしさや哀愁を感じさせる曲の数々は、単なるダンス音楽ではなく、当時の庶民の生活や心を映す大衆音楽といえるでしょう。
現代に生きる私たちの心にも、日々の暮らしの温もりやささやかな幸せを感じさせてくれます。
波乱の人生を乗りこえた伝説の歌手フレエルが歌っています
フレエル(Fréhel、本名 Marguerite Boulc’h マルグリット・ブルシュ)は、1891年にパリで生まれ、波乱万丈の人生と表現力あふれる歌声で、フランス・シャンソン界の伝説的存在として名を残したアーティスト。
下町の貧しい家庭に育ち、若くしてカフェや小劇場で歌い始めたマルグリットは、15歳のときに "Pervenche ペルヴァンシュ"と名のるようになります。
その力強く感情豊かな歌声はすぐに人々の心をつかみ、1910年代に大ブレイクをしてスターの座を獲得。
当時の人気歌手 Yvette Guilbert イヴェット・ギルベール や Damia ダミア と並び称される存在となりました。
1920年代、人気絶頂にありながら、アルコールと薬物依存に苦しむフレエルは、
恋人の Maurice Chevalier モーリス・シュヴァリエが自分を捨てて、当時のスーパースター Mistinguett ミスタンゲットのもとに去ったことで深く傷つき、自殺未遂を図ります。
フランスを離れて、ロシア、トルコ、バルカン半島などを、場末の酒場で歌いながら放浪し、音楽界から姿を消してしまうのでした。
シャンソン・レアリストの先駆者としてエディット・ピアフなどに影響を与えたフレエル
数年後パリに戻り、両親の故郷ブルターニュ地方の岬にちなんだ "Fréhel フレエル" の名で奇跡のカムバックを果たします。
傷ついた人生を映しだすように容姿は衰えていても、声の深みと感情表現はさらに進化して、
オランピアなど主要劇場で公演を重ね、数々の映画出演で女優としての活動も広げて、1930年代フランスのショービジネス界で活躍しました。
この時期に「La java bleue 青色のジャヴァ」のほか、いくつもの代表曲が生まれています。
愛、孤独、貧困、苦しみ、希望などをテーマに、社会の片隅にいる人々の心を歌いあげる「Chanson réaliste シャンソン・レアリスト(現実派シャンソン)」の先駆者の一人として名声を確立したフレエル。
その影響は、後につづく Edith Piaf エディット・ピアフや、Juliette Gréco ジュリエット・グレコ、Barbara バルバラなどに、色濃く受けつがれています。
「La java bleue 青色のジャヴァ」の動画
フレエルの写真でつづる動画です
力強いフレエルの歌声。時代を感じさせるヘアアレンジや化粧が興味深いですね。
La java bleue - Fréhel (1939)
映画「Une java ジャヴァ」の一場面で歌うフレエルの動画です
Claude Orval ロード・オルヴァル監督によるフランス映画「Une Java ジャヴァ」(1939年公開)の主題歌として使われた「La java bleue 青色のジャヴァ」。
バル・ミュゼットのオーナー役で自らも出演したフレエルが歌っている場面の、珍しい動画を見つけました。
歌は途中から始まり、歌詞も一部異なっています。
La java bleue - Fréhel (1939)
パトリック・ブリュエルが歌っています
Karafun にはフレエル版と Patrick Bruel パトリック・ブリュエル版が入っていて、私はヴァイオリンをフィーチャーした軽やかな伴奏のブリュエル版で歌っています。
La java bleue - Patrick Bruel
アズナブールとザーズの楽しいデュエットです
亡くなる2年前、92歳の元気で洒脱な Charles Aznavour シャルル・アズナブールの歌声。
孫のような Zaz ザーズとのデュエットを "Zaznavour ザズナブール"と呼んで心から楽しんでいる、私の大好きな動画です。
90歳を過ぎてもこんな風に歌っていられたら、とても素敵ですね。
La java bleue - Charles Aznavour & Zaz (2016)
Youtube活用メモ
一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。
*画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。
*「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。
*Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。
※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。
本サイト独自の発音表記について
フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。
シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について
★「r」は「ら、り、る、れ、ろ」とひらがなの赤字で表記。舌先を下の歯の裏に当てて、喉を震わせて発音します。
★「鼻母音」は「~」を添えて表記。鼻から息を抜きながら発音します。
①「an, em, en, em」は、口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音。「オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「ろ~」。
②「in, im, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音。
③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音。
⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。
リエゾンやアンシェンヌマンについて
単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。
「La java bleue 青色のジャヴァ」フランス語歌詞
単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。
同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。
印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)
印刷する場合はフランス語歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。
⇒「La java bleue 青色のジャヴァ」歌詞PDF(ルビつき)
⇒「La java bleue 青色のジャヴァ」歌詞PDF(ルビなし)
ルビつきフランス語歌詞
短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。
「La java bleue 青色のジャヴァ」
[Refrain]
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
La java la plus belle
ラ ジャヴァ ラ プリュ ベル
Celle qui ensorcelle
セル キ オ~ソるセル
Quand on la danse
コ~ト~ ラ ド~ス
les yeux dans les yeux
レズィウ ド~ レズィウ
Au rythme joyeux
オ りトゥム ジュワユゥ
Quand les corps se confondent
コ~ レ コーる ス コ~フォ~ドゥ
Comme elle au monde
コンメロ モ~ドゥ
Il n'y en a pas deux
イルニ オ~ ナ パ ドゥ
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
Il est au bal musette
イレ ト バル ミュゼットゥ
Un air rempli de douceur
ア~ネーる ろ~プリ ドゥ ドゥスァーる
Qui fait tourner les têtes
キ フェ トゥるネ レ テートゥ
Qui fait chavirer les cœurs
キ フェ シャヴィれ レ クァーる
Quand on la danse à petits pas
コ~ト~ ラ ド~ス ア プティ パ
Serrant celle qu'on aime dans ses bras
セろ~ セル コ~ネーム ド~ セ ブら
On lui murmure dans un frisson
オ~ リュイ ミュるミュる ド~ザ~ フりソ~
En écoutant chanter l'accordéon
オ~ネクゥト~ ショ~テ ラコるデオ~
[Refrain]
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
La java la plus belle
ラ ジャヴァ ラ プリュ ベル
Celle qui ensorcelle
セル キ オ~ソるセル
Quand on la danse
コ~ト~ ラ ド~ス
les yeux dans les yeux
レズィウ ド~ レズィウ
Au rythme joyeux
オ りトゥム ジュワユゥ
Quand les corps se confondent
コ~ レ コーる ス コ~フォ~ドゥ
Comme elle au monde
コンメロ モ~ドゥ
Il n'y en a pas deux
イルニ オ~ ナ パ ドゥ
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
Chéri, sous mon étreinte
シェり、スゥ モ~ネトゥら~トゥ
Je veux te serrer plus fort
ジュ ヴゥ トゥ セれ プリュ フォーる
Pour mieux garder l'empreinte
プゥる ミウ ガるデ ロ~プら~トゥ
Et la chaleur de ton corps
エ ラ シャルァール ドゥ ト~ コーる
Que de promesses, que de serments
ク ドゥ プろメッス、ク ドゥ セるモ~
On se fait dans la folie d'un moment
オ~ ス フェ ド~ ラ フォリ ダ~ モモ~
Car ces serments remplis d'amour
カる セ セるモ~ ろ~プリ ダムゥーる
On sait que ça ne durera pas toujours
オ~ セ ク サ ヌ デュるら パ トゥジュゥーる
[Refrain]
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
La java la plus belle
ラ ジャヴァ ラ プリュ ベル
Celle qui ensorcelle
セル キ オ~ソるセル
Quand on la danse
コ~ト~ ラ ド~ス
les yeux dans les yeux
レズィウ ド~ レズィウ
Au rythme joyeux
オ りトゥム ジュワユゥ
Quand les corps se confondent
コ~ レ コーる ス コ~フォ~ドゥ
Comme elle au monde
コンメロ モ~ドゥ
Il n'y en a pas deux
イルニ オ~ ナ パ ドゥ
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
Comme elle au monde
コンメロ モ~ドゥ
Il n'y en a pas deux
イルニ オ~ ナ パ ドゥ
C'est la java bleue
セ ラ ジャヴァ ブルゥ
フランス語歌詞(ルビなし)
リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。
"La java bleue"
[Refrain]
C'est la java bleue
La java la plus belle
Celle qui ensorcelle
Quand on la danse
les yeux dans les yeux
Au rythme joyeux
Quand les corps se confondent
Comme elle au monde
Il n'y en a pas deux
C'est la java bleue
Il est au bal musette
Un air rempli de douceur
Qui fait tourner les têtes
Qui fait chavirer les cœurs
Quand on la danse à petits pas
Serrant celle qu'on aime dans ses bras
On lui murmure dans un frisson
En écoutant chanter l'accordéon
[Refrain]
C'est la java bleue
La java la plus belle
Celle qui ensorcelle
Quand on la danse
les yeux dans les yeux
Au rythme joyeux
Quand les corps se confondent
Comme elle au monde
Il n'y en a pas deux
C'est la java bleue
Chéri, sous mon étreinte
Je veux te serrer plus fort
Pour mieux garder l'empreinte
Et la chaleur de ton corps
Que de promesses, que de serments
On se fait dans la folie d'un moment
Car ces serments remplis d'amour
On sait que ça ne durera pas toujours
[Refrain]
C'est la java bleue
La java la plus belle
Celle qui ensorcelle
Quand on la danse
les yeux dans les yeux
Au rythme joyeux
Quand les corps se confondent
Comme elle au monde
Il n'y en a pas deux
C'est la java bleue
Comme elle au monde
Il n'y en a pas deux
C'est la java bleue