En avril à Paris 四月のパリ

2024-04-12

Charles Trenet シャルル・トレネの「En avril à Paris 四月のパリ」

 

パリの4月は本格的な春が始まるとき

 

人々はロマンスを求めてパリに集い

フランス中に歌と笑い声が広がる…

 

春を迎える喜びを歌う

Charles Trenet シャルル・トレネの

「En avril à Paris 四月のパリ」。

 

世界的ピアニストのワイセンベルグが編曲した

華麗なピアノ曲の動画もご紹介しています。

 

パリの春の光景に思いをめぐらせながら

ぜひお聴きくださいませ。

 

「En avril à Paris 4月のパリ」ってどんな曲?

 

作詞  Charles Trenet シャルル・トレネ

作曲   Charles Trenet シャルル・トレネ, Walter Eiger ウォルター・エイゲール

歌  Charles Trenet  シャルル・トレネ

発表年  1953年

 

歌詞はこのような内容です

4月はパリが目覚めるとき

太陽が戻ってきて
柔らかな空気が若いロマンスを呼びおこし
本格的な春が始まるとき

人々はパリに駆けつけ
愛に魅せられて
フランス中に歌と笑い声が広がる

サンミッシェルも
セーヌ川も
過去の悩みは忘れて

ルクサンブール公園では
鳥たちが愛をささやく

恋人たちはベンチに戻り
欲望にあらがうことなく口づけを交わす

春祭りの最中の
4月のパリで

 

ロマンチックなパリの春を描いた名曲です

「En avril à Paris 4月のパリ」は、フランスのシンガーソングライター、シャルル・トレネの永遠の名曲の一つです。

春を迎えてウキウキとした空気に包まれるパリを、ロマンチックなイメージがふくらむ優しい歌詞で、明るく描写しています。

1913年にフランス南西部のナルボンヌで生まれたシャルル・トレネは、アイドルデュオとしてデビューしたのち、多彩で豊かな才能で20世紀中盤のフランス音楽界をけん引した一人でした。

トレネに関しては、「L'âme des poètes 詩人の魂」のページで少し詳しくご案内しています。

 

世代を超えて人々に歌いつがれるシャルル・トレネの名曲の一つです

その楽しい歌唱スタイルから「Fou chantant 歌う道化師」とも呼ばれ、愛や喜び、自然、旅、フランスの風景や文化などをテーマに詩情豊かに歌って、人々から愛されました。

この「En avril à Paris」も、わかりやすく楽しいメロディと言葉を紡ぎだすトレネの典型的な作風の曲で、世代を超えて人々に歌いつがれています。

花々の咲く街、にぎやかな通り、恋人たちが愛しあう姿など、春を迎えた4月のパリの光景が鮮やかに目に浮かびます。

 

「En avril à Paris 4月のパリ」の動画

 

軽やかなシャルル・トレネの歌声です

2012年に再リリースされたバージョン。心が和みます。

En avril à Paris · Charles Trenet

 

華やかなジャクリーヌ・フランソワの歌です

ジャクリーヌ・フランソワ (Jacqueline François) の歌も華やかで素敵です。

美しいパリの風景をご覧いただきながらお聴きください。

En avril à Paris - Jacqueline François

 

ムルージも個性的に歌っています

「Un jour tu verras いつの日にか」でご紹介したシンガーソングライター、マルセル・ムルージ (Marcel Mouloudji)がゆったりと個性的に歌っていました。

En avril à Paris · Marcel Mouloudji (1973)

 

世界的ピアニスト、ワイセンベルグの編曲による華麗で繊細なピアノ版「En avril à Paris 四月のパリ」 が素敵です

私がとても感動したピアノ演奏による動画をご紹介しましょう。

アレクシス・ワイセンベルグ(Alexis Weissenberg)といえば、カラヤン指揮のベルリンフィルとの数々の名共演で知られるブルガリア出身の世界的ピアニスト。

ジャズにも関心があったというワイセンベルグが、実は1950年代にシャルル・トレネの6作品を編曲して、「Mr. Nobody plays Trenet」というタイトルでフランスの音楽レーベル Lumenよりリリースしていたのです。

Mr. Nobodyがワイセンベルグだということはかなり後に発表されたことと、プレス枚数も少なかったことから知る人ぞ知る録音だったそうです。

 

やはり世界的ピアニストのマルカンドレ・アムランの華麗な演奏でお聴きください

その録音を元に、これまた世界的ピアニストであるカナダ・ケベック出身のマルカンドレ・アムラン(Marc=André Hamelin)が採譜をして、

ワイセンベルグ本人了承の下に2008年にリリースした「Marc-Andre Hamelin in a state of jazz」 というアルバムに、ワイセンベルグ作曲の「ジャズ様式のソナタ」と共に収録されています。

それではお聴きください。アムランが演奏する華麗で繊細、軽やかな「En avril à Paris 四月のパリ」。心が軽やかに弾みます。

En avril à Paris - Marc-Andre Hamelin plays Weissenberg (2009)

 

アルバム「Marc-Andre Hamelin in a state of jazz」の動画がありました

ワイセンベルグ作曲「ジャズ様式のソナタ」に続いて、後半にワイセンベルグ編曲によるトレネの6曲が収録されています。

「Marc-André Hamelin in a State of Jazz: Gulda, Kapustin, Weissenberg & Charles Trenet (2008)」

Marc-Andre Hamelin in a state of jazz

収録順の直接リンクをご案内します。Youtube上では続けて聴くこともできます。

Coin de rue 街角

Vous oubliez votre cheval あたなは馬を忘れた

En avril a Paris パリの四月

Boum! ブン!

Vous qui passez sans me voir 去りゆく君

Menilmontant メニルモンタン

 

譜面も発売されていますので、ピアノを弾かれる方は挑戦されてみてはいかがでしょうか?

それにしても、やはりトレネはすごいアーティストだということを再認識しました。

 

Youtube活用メモ

一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。

画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。

「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。

Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。

※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。

 

本サイト独自の発音表記について

フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。

 

シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について

r」は「」とひらがなの赤字で表記喉を震わせて発音します。

鼻母音」は「」を添えて表記鼻から息を抜きながら発音します。

an, em, en, em」は口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「」。

②「inim, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音

③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音

 

⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。

 

リエゾンやアンシェンヌマンについて

単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。

 

「En avril à Paris 4月のパリ」日本語訳

日本語訳や曲の解説をしているお勧めのサイトはこちらです。

朝倉ノニーの歌物語「En avril à Paris 4月のパリ」

 

「En avril à Paris 4月のパリ」フランス語歌詞

単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。

同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。

 

発音・歌い方のポイント

2ヶ所押韻している箇所があり、次のような発音になります。

〈*1〉「Il fait si bon ma mie  イル フェ スィ ボ~ マ ミィーユ

〈*2〉「De céder à l'envie ドゥ セデー ロ~ヴィーユ

詳しくは「フランス語発音のポイント~独特の発音をする「押韻」について」で解説しています。

 

印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)

印刷する場合は歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。

「En avril à Paris 4月のパリ」歌詞(PDF)

 

ルビつきフランス語歌詞

短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。

 

「En avril à Paris 4月のパリ」

 

Quand Paris s'éveille au mois d'avril

コ~ セヴェイヨー ムワ ダヴ

Quand le soleil revient d'exil

コ~ ル ソレイユ ヴィア~ グズィル

Quand l'air plus doux

コ~ レー プリュ ドゥ

berce une jeune romance

スュヌ ジュェヌ モ~

Quand le printemps vraiment commence

コ~ ル プト~モ~モ~

 

[Refrain]

Alors voici

アロー ヴワスィ

qu'aux portes de Paris

コー ポトゥ ドゥ パ

Accourt tout le pays

アクゥー トゥ ル ペイ

Par l'amour ébloui

ラムゥー ブルゥイ

Et du Nord jusqu'au Midi

エ デュ ノー ジュスコー ミディ

La France chante et rit

ラ フショ~テ

En avril à Paris.

オ~ル ア パ

 

À Saint-Michel, la Seine

ア サ~ミシェル ラ セーヌ

Oublie ses peines anciennes

ウゥブリ セ ぺーヌ ゾ~スィエンヌ

Au cœur du Luxembourg

オ クァー デュ リュクソ~ブゥー

Les oiseaux chantent l'amour

ズワゾー ショ~トゥ ラムゥー

Sur un banc

スュボ~

Jeanne et Pierre

ジャンヌ エ ピエー

sont de retour

ソ~ ドゥ トゥー

 

Il fait si bon ma mie

イル フェ スィ ボ~ マ ミィーユ 〈*1〉

De céder à l'envie

ドゥ セデー ロ~ヴィーユ 〈*2〉

D'un baiser que l'on prend

ダ~ ベゼ ク ロ~ プ

Que l'on donne en même temps

ク ロ~ ドンノ~ メーム ト~

Au milieu de la fête

オー ミリウ ドゥ ラ フェートゥ

du printemps.

デュ プト~

 

[Refrain]

Alors voici

アロー ヴワスィ

qu'aux portes de Paris

コー ポトゥ ドゥ パ

Accourt tout le pays

アクゥー トゥ ル ペイ

Par l'amour ébloui

ラムゥー ブルゥイ

Et du Nord jusqu'au Midi

エ デュ ノー ジュスコー ミディ

La France chante et rit

ラ フショ~

En avril à Paris.

オ~ル ア パ

 

フランス語歌詞(ルビなし)

リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。

 

"En avril à Pari"

 

Quand Paris s'éveille au mois d'avril

Quand le soleil revient d'exil

Quand l'air plus doux

berce une jeune romance

Quand le printemps vraiment commence

 

[Refrain]

Alors voici

qu'aux portes de Paris

Accourt tout le pays

Par l'amour ébloui

Et du Nord jusqu'au Midi

La France chante et rit

En avril à Paris.

 

À Saint-Michel, la Seine

Oublie ses peines anciennes

Au cœur du Luxembourg

Les oiseaux chantent l'amour

Sur un banc

Jeanne et Pierre

sont de retour

 

Il fait si bon ma mie 〈*1〉

De céder à l'envie 〈*2〉

D'un baiser que l'on prend

Que l'on donne en même temps

Au milieu de la fête

du printemps.

 

[Refrain]

Alors voici

qu'aux portes de Paris

Accourt tout le pays

Par l'amour ébloui

Et du Nord jusqu'au Midi

La France chante et rit

En avril à Paris.