Le mal de vivre 生きる苦しみ

2024-09-25

Barbara バルバラの「Le mal de vivre 生きる苦しみ」

 

それは予告なしに

皮肉な笑みを浮かべながらやってくる

 

何もないようだけれど確かにある

それは生きる苦しみ

 

何としても

それとともに生きなければ

 

生きることの辛さや孤独感を歌ったバルバラ Barbara の名曲「生きる苦しみ Le mal de vivre 」。

重くのしかかる「何か」の存在に、ときに絶望感を味わいながらも、

最後には、生きる喜びを見出して希望をもって生き抜こう、という強いメッセージがこめられています。

バルバラ自身の辛い幼少時の体験が深く反映された、とても美しい曲です。

 

Le mal de vivre 生きる苦しみってどんな曲?

 

作詞&作曲  Barbara バルバラ

歌  Barbara バルバラ

発表年  1965年

Karafun 収録曲 (Patrick Bruel)

 

歌詞はこのような内容です

 

それは予告なしに

遠くからやってくる

岸から岸へとさまよい

皮肉な笑みを浮かべながら

 

ある朝、目覚めると

何もないようにみえても

それは腰のあたりにあって

あなたを眠りに誘う

 

生きることの苦しみ

何としてもそれとともに

生きなければならない

 

それは肩に掛けることもできるし

宝石のように手に持ったり

花のようにボタンホールに挿したり

胸先につけることもできる

 

それは必ずしも悲惨なことではないし

ヴァルミーやヴェルダンの戦いでもない

けれども涙がまぶたを濡らす

過ぎ去った日も

来る日も

 

生きることの苦しみ

何としてもそれとともに

生きなければならない

 

ローマやアメリカからでも

ロンドンや北京

エジプトやアフリカ

あるいはサンマルタン門からでも

 

私たちは皆

同じように祈りを捧げ

同じ道を歩む

腰の痛みとともに

どれほど長いと感じても

 

彼らは手ぶらでやって来て

私たちを理解しようとするけれど

もう彼らの話は聞きたくない

もうたくさんだ

 

そして終わりのない夜の静寂の中

一人きりで突然考える

二度と戻ってこなかった人たちのことを

 

生きることの苦しみ

彼らの生きる苦しみ

彼らが何としても

生き抜かねばならなかったことを

 

それは予告なしに遠くからやってくる

岸から岸へとさまよい

口の端に笑みを浮かべながら

 

ある朝、目覚めると

何もないようにみえても

それは腰のあたりにあって

あなたを驚かす

 

生きる喜び

ああ、生きよう

あなたの生きる喜びを

 

生きる苦しみと喜びを歌ったバルバラの名曲です

人生の中で突然訪れる苦しみや絶望感…

バルバラ Barbara が歌う「生きる苦しみ Le mal de vivre」は、

生きることの辛さや孤独感を描きながら、そこから立ち上がる強さや希望を歌った美しい曲です。

 

バルバラの幼少期の辛い体験が反映されています

バルバラは、幼少期に戦争や父親との間の辛い体験をしており、精神的な苦悩や葛藤を生涯抱えていたことが知られています。

そのような背景がこの歌に深い感情の響きを与えていて、聴き手の心を揺さぶります。

父親との関係については、「Nantes ナントに雨が降る」の中で少し解説していますのでご参照ください。

 

苦しみの中にひそむ希望を歌う、人生の応援歌です

生きる苦しさをあらわすフレーズが並べられた最後に、「生きる喜び La joie de vivre」という希望のことばが登場。

どんなに辛い時でも、やがてそれを乗り越えた先に、生きることの美しさや希望を感じられる瞬間が訪れる、

痛みがあるからこそ生まれる、深い喜びを知ってほしい、という前向きなメッセージがこめられているのです。

ただ人生の辛さを嘆くだけではなく、苦しみを抱えながらも耐えて生きていく人々への応援歌。

人が辛い時期に寄り添い、絶望の中にひそむ希望や喜びを感じさせてくれる、心に深く響く素敵な作品です。

 

ちなみにヴァルミー、ヴェルダンの戦いとは、1792年にフランス革命軍とオーストリア・プロイセン連合軍の間で起きた戦いのこと。

フランス革命軍は、ヴェルダンでの戦いに敗れたのちに、ヴァルミーの戦いで勝利しました。

 

Le mal de vivre 生きる苦しみ」の動画

 

バルバラのライヴ動画です

発表の翌年、ベースとアコーディオンをバックに、ピアノ弾き語りで歌うバルバラ (36歳) のライヴ動画。

Le mal de vivre – Barbara (1966)

 

バルバラ51歳の熱唱ライヴです

いつになく思いっきり感情をこめて、歌の内容そのままにドラマティックに歌いあげるコンサートライヴ動画。バルバラ51歳の熱唱です。

Le mal de vivre - Barbara (1981)

 

注目のアーティスト、アンジェリーナ・ウィズムが歌っています

2013年に音楽オーディション番組『ザ・ヴォイス』フランス版のシーズン2に出場して、

バルバラの「Mon enfance 子供のころ」を歌いセンセーションを巻き起こした注目のアーティスト、アンジェリーナ・ウィズム Angélina Wismes が歌っています。

パリ生まれの女優で歌手のアンジェリーナが、2015年のバルバラに捧げたコンサートで歌ったライヴ動画。

バックのアコーディオン演奏が素敵です。

Le mal de vivre - Angélina Wismes (2015)

 

パトリック・ブリュエルも歌っています

前回ご紹介した「Au café des délices 悦楽のカフェにて」のパトリック・ブリュエル Patrick Bruel も歌っています。

Karafunには彼のバージョンが入っているので、カラオケのときは私もそれに合わせて歌っています。男性が歌うときのご参考に。

バルバラへのトリビュートアルバム「Très souvent, je pense à vous(頻繁にあなたを想っています)」に収録。

Le mal de vivre - Patrick Bruel (2016)

 

ゆったりと歌うステイシー・ケント

フランス語の曲ばかりを収録したスティシー・ケント Stacey Kentアルバム「Raconte-moi(教えて)」の中の1曲です。

Le mal de vivre · Stacey Kent (2010)

 

Youtube活用メモ

一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。

画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。

「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。

Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。

※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。

 

本サイト独自の発音表記について

フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。

 

シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について

r」は「」とひらがなの赤字で表記舌先を下の歯の裏に当てて、喉を震わせて発音します。

鼻母音」は「」を添えて表記鼻から息を抜きながら発音します。

an, em, en, em」は口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「」。

②「inim, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音

③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音

 

⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。

 

リエゾンやアンシェンヌマンについて

単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。

 

「Le mal de vivre 生きる苦しみ」フランス語歌詞

単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。

同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。

 

印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)

印刷する場合は歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。

「Le mal de vivre 生きる苦しみ」歌詞(PDF)

 

ルビつきフランス語歌詞

短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。

 

「Le mal de vivre 生きる苦しみ」

 

Ça ne prévient pas

サ ヌ プヴィア~ パ

Ça arrive

サ アーヴ

Ça vient de loin

サ ヴィア~ ドゥ ルワ~

Ça c'est promené de rive en rive

サ セ プムネ ドゥ ヴォ~ ーヴ

La gueule en coin

ラ ゲェロ~ クワ~

 

Et puis un matin, au réveil

エ ピュイザ~ マタ~、オ ヴェイユ

C'est presque rien

セ プスクア~

Mais c'est là,

メ セ ラ、

ça vous ensommeille

サ ヴゥゾ~ソメイユ

Au creux des reins

オ クゥ デ

 

Le mal de vivre

ル マル ドゥ ヴィーヴ

Le mal de vivre

ル マル ドゥ ヴィーヴ

Qu'il faut bien vivre

キル フォ ビア~ ヴィーヴ

Vaille que vivre

ヴァイユ ク ヴィーヴ

 

On peut le mettre en bandoulière

オ~ プゥ ル メトゥ ボ~ドゥリエー

Ou comme un bijou à la main

ウゥ コマ~ ビジュゥ ア ラ マ~

Comme une fleur en boutonnière

ミュヌ フルァー ブゥトニエー

Ou juste à la pointe du sein

ウゥ ジュス ラ プワントゥ デュ サ~

 

C'est pas forcément la misère

セ パ フォモ~ ラ ミゼー

C'est pas Valmy, c'est pas Verdun

セ パ ヴァルミー、セ パ ヴェダ~

Mais c'est des larmes aux paupières

メ セ デ ラゾォ ポピエー

Au jour qui meurt,

オ ジュゥー キ ムァー

au jour qui vient

オ ジュゥー キ ヴィア~

 

Ce mal de vivre

ス マル ドゥ ヴィーヴ

Ce mal de vivre

ス マル ドゥ ヴィーヴ

Qu'il nous faut bien vivre

キル ヌゥ フォ ビア~ ヴィーヴ

Vaille que vivre

ヴァイユ ク ヴィーヴ

 

Qu'on soit de Rome ou d'Amérique

コ~ スワ ドゥ ーム ウゥ ダメーク

Qu'on soit de Londres ou de Pékin

コ~ スワ ドゥ ロ~ドゥ ウゥ ドゥ ペキャ~

Qu'on soit d'Egypte ou bien d'Afrique

コ~ スワ デジプトゥ ウゥ ビア~ ダフーク

Ou de la porte Saint-Martin

ウゥ ドゥ ラ ポトゥ サ~マタ~

 

On fait tous la même prière

オ~ フェ トゥス ラ メーム プりエー

On fait tous le même chemin

オ~ フェ トゥス ル メーム シュマ~

Qu'il est long lorsqu'il faut le faire

ロ~ ロスキル フォ ル フェー

Avec son mal au creux des reins

アヴェク ソ~ マロォゥ デ ら~

 

Ils ont beau vouloir nous comprendre

イルゾ~ ボォ ヴゥルワー ヌゥ コ~プドゥ

Ceux qui nous viennent les mains nues

スゥ キ ヌゥ ヴィア~ヌ レ マ~ ニュ

Nous ne voulons plus les entendre

ヌゥ ヌ ヴゥロ~ プリュ レゾ~ト~ドゥ

On ne peut pas, on n'en peut plus

オ~ ヌ プゥ パ、オ~ ノ~ プゥ プリュ

 

Et tous seuls dans le silence

エ トゥス セウル ド~ ル スィロ~

D'une nuit qui n'en finit plus

デュヌ ニュイ キ ノ~ フィニ プリュ

Voilà que soudain on y pense

ヴワラ ク スゥダ~ オ~ ポ~

A ceux qui n'en sont pas revenus

ア スゥ キ ノ~ ソ~ パ ヴニュ

 

Du mal de vivre

デュ マル ドゥ ヴィーヴ

Leur mal de vivre

ルァー マル ドゥ ヴィーヴ

Qu'ils devaient vivre

キル ドゥヴェ ヴィーヴ

Vaille que vivre

ヴァイユ ク ヴィーヴ

 

Et sans prévenir,

ソ~ヴニー

ça arrive

サ アーヴ

Ça vient de loin

サ ヴィア~ ドゥ ルワ~

Ça c'est promené de rive en rive

サ セ プムネ ドゥ ヴォ~ ーヴ

Le rire en coin

クワ~

 

Et puis un matin, au réveil

エ ピュイザ~ マタ~、オ ヴェイユ

C'est presque rien

セ プスク ア~

Mais c'est là,

メ セ ラ、

ça vous émerveille

サ ヴゥヴェイユ

Au creux des reins

オ クゥ デ

 

La joie de vivre

ラ ジュワ ドゥ ヴィーヴ

La joie de vivre

ラ ジュワ ドゥ ヴィーヴ

Oh, viens la vivre

オ、ヴィア~ ラ ヴィーヴ

Ta joie de vivre

タ ジュワ ドゥ ヴィーヴ

 

フランス語歌詞(ルビなし)

リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。

 

"Le mal de vivre"

 

Ça ne prévient pas

Ça arrive

Ça vient de loin

Ça c'est promené de rive en rive

La gueule en coin

 

Et puis un matin, au réveil

C'est presque rien

Mais c'est là,

ça vous ensommeille

Au creux des reins

 

Le mal de vivre

Le mal de vivre

Qu'il faut bien vivre

Vaille que vivre

 

On peut le mettre en bandoulière

Ou comme un bijou à la main

Comme une fleur en boutonnière

Ou juste à la pointe du sein

 

C'est pas forcément la misère

C'est pas Valmy, c'est pas Verdun

Mais c'est des larmes aux paupières

Au jour qui meurt,

au jour qui vient

 

Ce mal de vivre

Ce mal de vivre

Qu'il nous faut bien vivre

Vaille que vivre

 

Qu'on soit de Rome ou d'Amérique

Qu'on soit de Londres ou de Pékin

Qu'on soit d'Egypte ou bien d'Afrique

Ou de la porte Saint-Martin

 

On fait tous la même prière

On fait tous le même chemin

Qu'il est long lorsqu'il faut le faire

Avec son mal au creux des reins

 

Ils ont beau vouloir nous comprendre

Ceux qui nous viennent les mains nues

Nous ne voulons plus les entendre

On ne peut pas, on n'en peut plus

 

Et tous seuls dans le silence

D'une nuit qui n'en finit plus

Voilà que soudain on y pense

A ceux qui n'en sont pas revenus

 

Du mal de vivre

Leur mal de vivre

Qu'ils devaient vivre

Vaille que vivre

 

Et sans prévenir,

ça arrive

Ça vient de loin

Ça c'est promené de rive en rive

Le rire en coin

 

Et puis un matin, au réveil

C'est presque rien

Mais c'est là,

ça vous émerveille

Au creux des reins

 

La joie de vivre

La joie de vivre

Oh, viens la vivre

Ta joie de vivre