Il n'y a plus d'après あとには何もない

2023-12-27

Juliette Gréco ジュリエット・グレコの「Il n'y a plus d'après あとには何もない

 

長い年月が経ち、サン・ジェルマン・デ・プレで再会しても、二人とも昔の面影はなくなり、

すっかり見知らぬ同士、見知らぬ街になっている。

二人の青春のあとは何も残っておらず、すべてが変わってしまった。

Juliette Gréco ジュリエット・グレコが歌う「Il n'y a plus d'après あとには何もない」は、

恋人たちの青春の思い出の街、サン・ジェルマン・デ・プレの変化と、別れて年月を経たあとの二人の変化を重ねあわせて歌っている曲です。

どなたにもそんな懐かしく、そして切ない記憶があるのではないでしょうか?

グレコや何人かのアーティストたちの、それぞれ味わい深い歌を動画でご紹介するとともに、フランス語歌詞をカタカナルビ付きでご案内しています。

 

Il n'y a plus d'après あとには何もないってどんな曲?

作詞&作曲  Guy Béart ギ・ベアール

歌  Juliette Gréco ジュリエット・グレコ

発表年  1960年

Karafun 収録曲

 

歌詞はこのような内容です

 

今はパリの反対側に住んでいるあなた

私に会いに

サン・ジェルマン・デ・プレまで来るのは

長い旅になるわ

 

会うのは今日しかないけれど

再会しても

あなたはもう昔のあなたではないし

私も昔の面影はない

私たちの青春はもう何も残っていないのよ

 

サン・ジェルマン・デ・プレは

あなたにはもはや見知らぬ街に見えるし

カフェ・クレームも

あなた好みの味ではなくなった

 

あなたも私もよそ者になり

私たちも見知らぬ同士になり

すべてが変わってしまうことが分かったわ

 

日々ゆっくりと進む恋も

永遠に続くと思っていたけれど

夜になると終わっていた

ここにサン・ジェルマン・デ・プレの永遠があるのね

 

“サン・ジェルマン・デ・プレのミューズ” と呼ばれたジュリエット・グレコが歌っています

青春時代の二人の恋の思い出の場所、サン・ジェルマン・デ・プレの変わり様に、

別れて長い年月が経ってしまった恋人たちの変わり様を投影して歌う「Il n'y a plus d'après あとには何もない」。

10代のころからサン・ジェルマン・デ・プレ地区に出入りして、知識人たちと交流するようになり、

哲学者のジャン・ポール・サルトルや詩人のボリス・ヴィアンなどから曲の提供を受けて、黒い髪と黒ずくめの衣装で歌い始めたジュリエット・グレコ。

“サン・ジェルマン・デ・プレのミューズ(女神)”と呼ばれて青春時代を過ごした彼女が歌うと、とても自然に聴こえてくる歌です。

 

シンガーソングライターのギ・ベアールの作品です

シンガーソングライターの Guy Béart ギ・ベアールが1960年に作った曲です。

1930年にエジプトで生まれたベアールは、父親の仕事の関係でフランス、ギリシャなどで幼少期を過ごしたのちにレバノンを経てパリへ移ります。

数学や工学の学位を取得してキャリアをスタートしますが、同時にパリの国立音楽学院で音楽を学びました。

キャバレーで歌い始めるうちに、作曲能力が高く評価されて、ジュリエット・グレコなどに曲を提供するようになります。

その後自身のアルバムも次々とリリースして、アカデミー・ディスク・グランプリを受賞。オランピア劇場などでもコンサートを行い一流アーティストとして活躍します。

テレビの音楽番組の司会者としても名声を博したベアールは、映画音楽を含め300曲以上を作曲しています。

 

2024パリ・オリンピック自転車競技のコースになるサン・ジェルマン・デ・プレ地区

ちなみに、2024パリ・オリンピックの自転車競技(個人タイムトライアル)では、コースの一部としてサン・ジェルマン・デ・プレ地区を走り抜けるとのこと。

このシックでお洒落な界隈を、競技自転車が疾走する風景を見るのが今から楽しみです。

 

 

Il n'y a plus d'après あとには何もない」の動画

 

33歳のグレコのライヴ動画です

リリースされた1960年のテレビスタジオ動画。33歳のグレコ、う~ん若い!

Il n'y a plus d'après - Juliette Gréco (1960)

 

グレコの歌をサン・ジェルマン・デ・プレ界隈の写真でつづる動画です

かつて著名な芸術家や知識人たちが好んで訪れて時を過ごし、議論を交わした、

1880年代創業の老舗カフェ「Les Deux Magots ドゥ・マゴ」や「Café de Flore カフェ・ド・フロール」、「Brasserie Lipp ブラッスリー・リップ」(いずれも現在も営業中)の写真とともに、

当時の人々の日常の様子がとても興味深く、この歌の雰囲気が活き活きと伝わってきます。

それが歌詞にあるように「すっかり変わってしまった後」なのか「前」なのかは分かりませんが。

途中、グレコの恋人だった Miles Davis マイルス・ディヴィス(米国のジャズトランぺッター)と思しきイラストも現れるのがご愛敬です。

Il n'y a plus d'après - Juliette Gréco

 

グレコとギ・ベアールのデュエットです

グレコと作詞・作曲したギ・ベアールとのデュエット動画です。温かい雰囲気でなかなかよい感じ。

Il n’y a plus d’après - Juliette Gréco & Guy Béart (1972)

 

パトリック・ブリュエルとのデュエットで歌うエマニュエル・ベアール

代表的なシャンソンを一流アーティストたちが歌う音楽フェスティバルで、ギ・ベアールの娘で女優の Emmanuelle Béart エマニュエル・ベアールが、Patrick Bruel パトリック・ブリュエルとデュエットしています。

優しく見まもる父親ギ・ベアールも一緒に口ずさむ、素敵なライヴ動画です。

Il n'y a plus d'après - Patrick Bruel & Emmanuelle Béart (2013)

 

Jazzy に歌うイヴ・モンタン

Yves Montand イヴ・モンタンが軽いノリでジャズィーに歌っています。

Il n’y a plus d’après - Yves Montand (1961)

 

Youtube活用メモ

一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。

画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。

画面を長押し(パソコンの場合は右クリック)して「ループ再生」をオンにしましょう。

Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。

※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。

 

本サイト独自の発音表記について

フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。

 

シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について

r」は「」とひらがなの赤字で表記喉を震わせて発音します。

鼻母音」は「」を添えて表記鼻から息を抜きながら発音します。

an, em, en, em」は口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「」。

②「inim, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音

③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音

 

⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。

 

リエゾンやアンシェンヌマンについて

単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。

 

「Il n'y a plus d'après あとには何もない」日本語訳

日本語訳や曲の解説をしているお勧めのサイトはこちらです。

朝倉ノニーの歌物語「Il n'y a plus d'après あとには何もない」

 

「Il n'y a plus d'après あとには何もない」フランス語歌詞

単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。

同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。

 

印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)

印刷する場合は歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。

「Il n'y a plus d'après あとには何もない」歌詞(PDF)

 

ルビつきフランス語歌詞

短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。

 

「Il n'y a plus d'après あとには何もない」

 

Maintenant que tu vis

マ~テノ~ ク テュ ヴィ

A l'autre bout d'Paris

アロートゥ ブゥ ドゥ パ

Quand tu veux changer d'âge

コ~ テュ ヴゥ ショ~ジェ ダージュ

Tu t'offres un long voyage

テュ トフ ロ~ ヴワヤージュ

 

Tu viens me dire bonjour

テュ ヴィア~ ム ディー ボ~ジュゥー

Au coin d'la rue du Four

オ クワ~ ドゥラュ デュ フゥー

Tu viens me visiter

テュ ヴィア~ ム ヴィズィテ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

イル ニ ア プリュ ダプ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Plus d'après-demain

プリュ ダプ ドゥマ~

Plus d'après-midi

プリュ ダプ ミディ

Il n'y a qu'aujourd'hui

イル ニ ア コジュデュイ

 

Quand je te reverrai

コ~ ジュ トゥ ヴェ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Ce n'sera plus toi

スヌ ス プリュ トゥワ

Ce n'sera plus moi

スヌ ス プリュ ムワ

Il n'y a plus d'autrefois

イル ニ ア プリュ ドートゥフワ

 

Tu me dis "Comme tout change ! "

テュ ム ディ 「コム トゥ ショ~ジュ!」

Les rues te semblent étranges

ュ トゥ ソ~ブル エトゥジュ

Même les cafés-crème

メーム レ カフェ クーム

N'ont plus le goût qu'tu aimes

ノ~ プリュ ル グゥ クテュ エーム

 

C'est que tu es un autre

セ ク テュ エ ザ~ノートゥ

C'est que je suis une autre

セ ク ジュ スュイ ズュノートゥ

Nous sommes étrangers

ヌゥ ソトゥジェ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

イル ニ ア プリュ ダプ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Plus d'après-demain

プリュ ダプ ドゥマ~

Plus d'après-midi

プリュ ダプ ミディ

Il n'y a qu'aujourd'hui

イル ニ ア コジュデュイ

 

Quand je te reverrai

コ~ ジュ トゥ ヴェ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Ce n'sera plus toi

スヌ ス プリュ トゥワ

Ce n'sera plus moi

スヌ ス プリュ ムワ

Il n'y a plus d'autrefois

イル ニ ア プリュ ドートゥフワ

 

A vivre au jour le jour

ア ヴィーヴ ジュゥー ル ジュゥー

Le moindre des amours

ル ムワンドゥムゥー

Prenait dans ces ruelles

ド~ュエル

Des allures éternelles

リュー エテネル

 

Mais à la nuit la nuit

ラ ニュイ ラ ニュイ

C'était bientôt fini

セテ ビア~トー フィニ

Voici l'éternité

ヴワスィ レテニテ

De Saint-Germain-des-Prés

ドゥ サ~ ジェマ~ デプ

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

イル ニ ア プリュ ダプ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Plus d'après-demain

プリュ ダプ ドゥマ~

Plus d'après-midi

プリュ ダプ ミディ

Il n'y a qu'aujourd'hui

イル ニ ア コジュデュイ

 

Quand je te reverrai

コ~ ジュ トゥ ヴェ

A Saint-Germain-des-Prés

ア サ~ ジェマ~ デプ

Ce n'sera plus toi

スヌ ス プリュ トゥワ

Ce n'sera plus moi

スヌ ス プリュ ムワ

Il n'y a plus d'autrefois

イル ニ ア プリュ ドートゥフワ

 

フランス語歌詞(ルビなし)

リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。

 

"Il n'y a plus d'après"

 

Maintenant que tu vis

A l'autre bout d'Paris

Quand tu veux changer d'âge

Tu t'offres un long voyage

 

Tu viens me dire bonjour

Au coin d'la rue du Four

Tu viens me visiter

A Saint-Germain-des-Prés

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

A Saint-Germain-des-Prés

Plus d'après-demain

Plus d'après-midi

Il n'y a qu'aujourd'hui

 

Quand je te reverrai

A Saint-Germain-des-Prés

Ce n'sera plus toi

Ce n'sera plus moi

Il n'y a plus d'autrefois

 

Tu me dis "Comme tout change ! "

Les rues te semblent étranges

Même les cafés-crème

N'ont plus le goût qu'tu aimes

 

C'est que tu es un autre

C'est que je suis une autre

Nous sommes étrangers

A Saint-Germain-des-Prés

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

A Saint-Germain-des-Prés

Plus d'après-demain

Plus d'après-midi

Il n'y a qu'aujourd'hui

 

Quand je te reverrai

A Saint-Germain-des-Prés

Ce n'sera plus toi

Ce n'sera plus moi

Il n'y a plus d'autrefois

 

A vivre au jour le jour

Le moindre des amours

Prenait dans ces ruelles

Des allures éternelles

 

Mais à la nuit la nuit

C'était bientôt fini

Voici l'éternité

De Saint-Germain-des-Prés

 

[Refrain]

Il n'y a plus d'après

A Saint-Germain-des-Prés

Plus d'après-demain

Plus d'après-midi

Il n'y a qu'aujourd'hui

 

Quand je te reverrai

A Saint-Germain-des-Prés

Ce n'sera plus toi

Ce n'sera plus moi

Il n'y a plus d'autrefois