偽ものの愛なんていらないわ
私が欲しいのは
高価なものじゃなくて
あなたの愛
そして私を強く抱きしめてくれること
それこそが私の宝ものなの
Zazie ザズィが歌う「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」は、
軽やかなワルツの旋律にのせて、形だけではない真実の愛をもとめる歌詞が、多くの人々の共感をよんでいる曲。
若手アーティストの登竜門といわれるオーディション番組「ザ・ヴォイス」の審査員としても有名なザズィの、若き日の姿が素敵です。
「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」ってどんな曲?
★作詞&作曲 Zazie ザズィ, Phil Baron フィル・バロン
★歌 Zazie ザズィ
★発表年 1995年
★Karafun 収録曲
歌詞はこのような内容です
贈りものに夢中な人たちがいる
首に宝石をかけたりして
素敵だけれど
それってただの石ころじゃない
転がって、転がって
やがて涙となって頬を流れおちる
私が欲しいのは
高価なものじゃなくて、あなたの愛
私は気にしない
偽ものの愛なんて投げ捨てるわ
金色の鳥かごみたいなものだから
あなたが私を強く抱きしめてくれる
それが本当の宝もの
そう、それこそが黄金の価値があるものよ
視線や花束を交わしあって
結局どこかで別れていく
そんな恋人たちを私は見てきたわ
バラとキャベツが混じりあうようにね
たくさんのカップルがいるけれど
少しでも愛しあったほうがいいわ
深く愛しあっている私たちみたいに
だから私はどこかに
指輪もハート型のネックレスも投げ捨てるの
だって私たちが強く愛しあっているのなら
それが本当の宝もの
そう、それこそが黄金の価値があるものよ
私は永遠に
金メッキの愛の証しなんていらないわ
あなたが私を強く抱きしめてくれる
それこそが私の宝もの
それはあなたなの
あなたこそが、本当の黄金の価値があるものよ
※「valser ヴァルセ=ワルツを踊る / 投げとばす」という意味から、比喩的に「偽りの愛」や「物質的なものを軽やかに投げ捨てる」というようなニュアンスで使われています。
真実の愛をもとめる軽やかなワルツ曲です
「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽ものの愛なんて)」は、フランスのシンガーソングライター Zazie ザズィの代表作のひとつ。
兄の Phil Baron フィル・バロンと共作したこの曲は、1995年にリリースされたアルバム「Zen 禅」に収録されています。
ミュゼット風の軽やかなワルツの旋律と、形ばかりの愛の表現を否定して真実の愛をもとめるメッセージ性が、多くの人々の心をつかみました。
「宝石や高価な贈りものよりも、心のこもった抱擁こそが何よりも大切」
物質的な愛の証しではなく、心のつながりこそが愛の本質であると、優しく、そして力強く訴えます。
ザズィは、コンサートでは手回しオルガンを回しながら歌うなど、ノスタルジックで温かみのある演出で表現。
2001年のテレビ番組「スター・アカデミー」で 、当時21歳の Olivia Ruiz オリヴィア・ルイズが感動的に歌ったことで、若い世代にもその魅力が再発見されました。
真の愛を讃える名曲として、リリースから30年を経た今もなお、多くの人々に愛されつづけています。
異色のキャリアから独創的な表現力のアーティストになったザズィ
Zazie ザズィ(本名:Isabelle de Truchis de Varennes イザベル・ド・トゥリュシ・ド・ヴァレンヌ)は、1964年、パリ郊外のブローニュ=ビヤンクール生まれ。
Zazie という芸名は、レーモン・クノーの小説「Zazie dans le métro 地下鉄のザジ」からとったとのこと。
建築家の父と音楽教師の母のもとで、幼少期からクラシック音楽や文学、言葉遊びに親しみながら、自由な感性を育みました。
大学では理学療法や言語学を学び、1980年代はモデルとして活動したのちに、本格的な音楽活動に踏みだします。
この異色のキャリアが、彼女に独自の視点と詩情豊かな表現力をもたらしました。
1992年、アルバム「Je, tu, ils(私、あなた、彼ら)」でデビューし、ウィットにとんだ歌詞で注目されましたが、
1995年のセカンドアルバム「Zen 禅」の緻密な言葉選びと高い音楽性で、フレンチポップス界の新たな旗手として知られる存在に。
ほとんどの楽曲の作詞を自ら手がけ、詩的なユーモアを巧みに操る歌詞は知的で感情豊か。
音楽スタイルもポップス、ロック、エレクトロ、アコースティックと多彩で、アルバムごとに音の世界観が大きく異なります。
1998年にはヴィクトワール音楽賞(フランスのグラミー賞)の最優秀女性アーティスト賞を受賞しています。
若手の育成や社会活動にも貢献しているザズィ
ザズィは、フランスの人気オーディション番組「ザ・ヴォイス」で数シーズンにわたり審査員(コーチ)をつとめたことでも有名で、
若手アーティストに寄り添いながらも、表現の本質を妥協せずに伝える姿勢が好感をよびました。
人道・環境支援活動にも積極的に参加するなど、音楽以外でも社会的な発言をつづけるとともに、
商業的な成功よりも芸術的誠実さを重視して、自身のペースで作品を発表しつづけています。
デビューから33年たった今でも変わらぬ創作意欲と表現の深さで、フランス文化を代表するアーティストの一人として尊敬される存在です。
「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」の動画
手回しオルガンを回しながら歌うザズィのコンサートライヴ動画です
温かい歓声に胸をつまらせながら歌い、最後に涙ぐんで応えるザズィも聴衆も素敵!
J'envoie valser - Zazie
オフィシャル音源です
歌を覚えるなら、リリース年のオフィシャル音源でどうぞ。
J'envoie valser - Zazie (1995)
オリビア・ルイズが可愛らしく歌っています
2001年の「スター・アカデミー」で歌い、この曲が若い世代にもあらためてアピールされるきっかけを作った、Olivia Ruiz オリビア・ルイズのコンサートライヴ動画です。
当時21歳だったスター・アカデミーでは準優勝だったものの、その後ヴィクトワール音楽賞・最優秀女性アーティスト賞を3回も受賞するなど、実力派として活躍しています。
J'envoie valser - Olivia Ruiz
審査員として出場者と歌うザズィのライヴ動画です
「The Voice 2024」で出場者たちとともに歌うザズィ。60歳になってますます優しさと貫録がましていますね。
J'envoie valser - Zazie (2024)
Youtube活用メモ
一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。
*画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。
*「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。
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本サイト独自の発音表記について
フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。
シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について
★「r」は「ら、り、る、れ、ろ」とひらがなの赤字で表記。舌先を下の歯の裏に当てて、喉を震わせて発音します。
★「鼻母音」は「~」を添えて表記。鼻から息を抜きながら発音します。
①「an, em, en, em」は、口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音。「オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「ろ~」。
②「in, im, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音。
③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音。
⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。
リエゾンやアンシェンヌマンについて
単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。
「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」フランス語歌詞
単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。
同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。
印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)
印刷する場合はフランス語歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。
⇒「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」歌詞PDF(ルビつき)
⇒「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」歌詞PDF(ルビなし)
ルビつきフランス語歌詞
短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。
「J'envoie valser ジャンヴォワ・ヴァルセ(偽りの愛なんて)」
[1]
J'en vois des qui se donnent, donnent
ジョ~ ヴワ デ キ ス ドヌ、ドヌ
Des bijoux dans le cou
デ ビジュゥ ド~ ル クゥ
C'est beau mais quand même
セ ボォ メ コ~ メーム
Ce n'sont que des cailloux
スヌ ソ~ ク デ カイユゥ
Des pierres qui vous roulent, roulent
デ ピエーる キ ヴゥ るゥル、るゥル
Et qui vous coulent sur les joues
エ キ ヴゥ クゥル スュる レ ジュゥ
J'aime mieux que tu m'aimes
ジェーム ミウ ク テュ メーム
Sans dépenser tes sous
ソ~ デポ~セ テ スゥ
[Refrain]
Moi je m'en moque
ムワ ジュ モ~ モク
J'envoie valser
ジョ~ヴワ ヴァルセ
les trucs en toc
レ トゥるク オ~ トク
Les cages dorées
レ カージュ ドれ
Toi, quand tu m'serres très fort
トゥワ、コ~ テュム セーる トゥれ フォーる
C'est comme un trésor
セ コンマ~ トゥれゾーる
Et ça, et ça vaut de l'or
エ サ、エ サ ヴォ ドゥ ローる
[2]
J'en vois des qui s'lancent
ジョ~ ヴワ デ キス ロ~ス
des regards et des fleurs
デ るガーれ デ フルァーる
Puis qui s'laissent quelque part ou ailleurs
ピュイ キス レス ケルク パーる ウ アイユァーる
Entre les roses et les choux
オ~トゥる レ ろォーゼ レ シュゥ
J'en connais des tas qui feraient mieux
ジョ~ コネ デ タ キ フれ ミウ
De s'aimer un peu
ドゥ セメ ア~ プゥ
Un peu comme nous
ア~ プゥ コンム ヌゥ
qui nous aimons beaucoup
キ ヌゥゼモ~ ボォクゥ
[Refrain]
Et d'envoyer ailleurs valser
エ ド~ヴワイエ アイユァーる ヴァルセ
Les bagues et les cœurs en collier
レ バーグ エ レ クァーる オ~ コリエ
Car quand on s'aime très fort
カる コ~ト~ セーム トゥれ フォーる
C'est comme un trésor
セ コンマ~ トゥれゾーる
Et ça, et ça vaut de l'or
エ サ、エ サ ヴォ ドゥ ローる
La la la la la la
ラ ラ ラ ラ ラ ラ
La la la, la la la la la la la
ラ ラ ラ、ラ ララ ラ ラ ラ ラ
La la la, la la la la
ラ ラ ラ、ラ ラ ラ ラ
[Outro]
Moi pour toujours j'envoie valser
ムワ プゥる トゥジュゥーる ジョ~ヴワ ヴァルセ
Les preuves d'amour en or plaqué
レ プるァヴ ダムゥーる オ~ ノーる プラケ
Puisque tu m'serres très fort
ピュイスク テュム セーる トゥれ フォーる
C'est là mon trésor
セ ラ モ~ トゥれゾーる
C'est toi, toi qui vaut de l'or
セ トゥワ、トゥワ キ ヴォ ドゥ ローる
フランス語歌詞(ルビなし)
リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。
"J'envoie valser"
[1]
J'en vois des qui se donnent, donnent
Des bijoux dans le cou
C'est beau mais quand même
Ce n'sont que des cailloux
Des pierres qui vous roulent, roulent
Et qui vous coulent sur les joues
J'aime mieux que tu m'aimes
Sans dépenser tes sous
[Refrain]
Moi je m'en moque
J'envoie valser les trucs en toc
Les cages dorées
Toi, quand tu m'serres très fort
C'est comme un trésor
Et ça, et ça vaut de l'or
[2]
J'en vois des qui s'lancent
des regards et des fleurs
Puis qui s'laissent quelque part ou ailleurs
Entre les roses et les choux
J'en connais des tas qui feraient mieux
De s'aimer un peu
Un peu comme nous
qui nous aimons beaucoup
[Refrain]
Et d'envoyer ailleurs valser
Les bagues et les cœurs en collier
Car quand on s'aime très fort
C'est comme un trésor
Et ça, et ça vaut de l'or
La la la la la la
La la la, la la la la la la la
La la la, la la la la
[Outro]
Moi pour toujours j'envoie valser
Les preuves d'amour en or plaqué
Puisque tu m'serres très fort
C'est là mon trésor
C'est toi, toi qui vaut de l'or