Paris au mois d'août 八月のパリ

2026-08-07

Charles Aznavour シャルル・アズナヴールの『Paris au mois d'août 八月のパリ』

 

静かな8月のパリで

短く燃えたひと夏の恋

 

9月には別れのときを迎え

悲しく、空っぽになった心

 

もう一度あの楽しかった日々が

戻ってくることをただ願うだけ...

 

 

夏のバカンスで人びとがいなくなり、静まりかえった8月のパリで出逢った二人の恋。

やがて9月になると、幸せだった夏の日々は魔法のように消えて、現実世界に引き戻される恋人たち。

 

Charles Aznavour シャルル・アズナヴールが歌う『Paris au mois d'août 八月のパリ』は、

1966年公開の同名映画の主題歌としてつくられた、パリを舞台に束の間の恋を描いた美しい作品です。

 

早くも蝉の声が聞こえ始めた8月...

皆さまそれぞれの夏の思い出をつくりながら、ぜひお聴きくださいませ。

 

 

「Paris au mois d'août 八月のパリ」ってどんな曲?

 

作詞&作曲  Charles Aznavour シャルル・アズナヴール, Georges Garvarentz ジョルジュ・ガルヴァレンツ

歌   Charles Aznavour シャルル・アズナヴール

発表年  1966年

Karafun 収録曲

 

歌詞はこのような内容です

 

九月になると

僕たちのひと夏の恋は

悲しい別れのときを迎え

過去の思い出として消えてゆく

 

そうなることは分かっていたけれど

すべてを失い空っぽになった僕の心は

まるで八月のパリのようだ

 

涙と笑顔にあふれていた僕たちの恋

最悪の結末を恐れるからこそ

一日一日を大切に生きていた

 

どの通りも、どの石畳も

僕たちだけのもののように思えたし

八月のパリで

地球上にいたのは僕たち二人だけだった

 

どんなに遠く離れていても

「愛している」とつたえたい

僕の心の半分は

今もあなたにつながっている

 

孤独なもう半分は

あちこちをさまよいながら

八月のパリの

まばゆい光を探しもとめている

 

どうか神さま

僕の夢を叶えてください

 

あなたの唇と

あなたの瞳に

あの八月のパリの面影が

もう一度戻りますように

 

そして

少し無謀だった恋が再び燃えあがり

あの八月のパリで

もう一度すべてが始まりますように

 

 

8月のパリを舞台にした短い恋物語を歌っています

Charles Aznavour シャルル・アズナヴールが歌う『Paris au mois d'août 八月のパリ』は、

8月だけに現れる、静かで穏やかなパリで生まれた恋を描いた美しい作品で、1966年公開の同名映画の主題歌としてつくられました。

家族が夏のバカンスで留守の間、パリに残ったアズナヴール演じる男性が、

観光で訪れたイギリス人女性と出逢い、美しくも儚いひと夏の恋を経験するという物語(詳細は後述)。

 

今では一年中多くの観光客でにぎわうパリですが、当時は8月になると街の様子が大きく変わりました。

会社や商店が一斉に休みに入り、多くのパリ市民が長い夏休みをとって地方や海辺へ出かけたため、街がほぼ空っぽに。

通りは静かになり、いつもは混んでいるカフェも落ちついて、街全体にいつもとは違う特別な雰囲気が生まれたのです。

 

 

夏の終わりとともに去った儚い恋

そんな1年で最も静かでロマンチックな "パリの空白の1ヶ月" を象徴するような、美しくノスタルジックな曲を、

オーケストラの重厚な演奏にのせて、アズナヴールがのびやかに歌いあげます。

 

夏の日ざしの中、静まりかえった8月のパリで、偶然出逢った二人の燃えるような恋。

やがて9月になると、

恋に夢中だった夏の日々も、楽しく幸せ一杯だった二人だけの世界も、魔法のように消えて、現実世界が戻ってきます。

 

空っぽになった心は、まるで8月のパリのよう...

恋人が去ったあとの空虚な心を、人影の少ない夏のパリに重ねあわせて、アズナヴールらしく詩情豊かに表現。

そしてもう一度、あの8月のような幸せが戻ってきてほしい、と切なく願う...

 

昔のアルバムをめくりながら、忘れられない懐かしい思い出に浸る、そんな気持ちにさせてくれる一曲です。

 

 

映画『八月のパリ』とは?

アズナヴール自身が主役を演じ、1966年に公開されたフランス映画『Paris au mois d'août 八月のパリ』。

監督は Pierre Granier-Deferre ピエール・グラニエ=ドフェール、原作は作家 René Fallet ルネ・ファレの同名小説で、

イギリスの女優 Susan Hampshire スーザン・ハンプシャーが相手役を演じました。

 

あらすじ

主人公アンリは、パリで店を営む既婚者。

妻と子どもたちは夏の休暇に出かけ、仕事のため一人パリに残ったアンリは、

人通りの少ない静かなパリで、イギリス人女性パトリシアと出逢います。

 

少しずつ心を通わせ、夏の間だけの恋を育んでいきますが、この恋が永遠ではないことも知っている二人。

夏休みが終われば、パトリシアは帰国し、アンリの家族も戻ってきて、日常生活が再び始まる...

だからこそ、この恋はより美しく、切なく感じられるのです。

 

この映画の魅力は、"パリそのものが登場人物のひとり" として、物語を形づくっていることです。

二人が特別な時間を過ごすことができたのは、人が少なく、穏やかで、明るい夏の光に包まれた、いつもとは違う8月のパリだから。

静かな街並みが、二人の心の動きをより印象的に描きだしています。

 

主題歌は、映画のストーリーをそのまま語るのではなく、雰囲気はそのままに、

 

夏の終わりの寂しさ

幸せだった時間への懐かしさ

戻らない日々への熱い思い

 

を表現。

 

映画を観た後にこの曲を聴くと、切なさがより深く心に響くことでしょう。

 

 

俳優としても活躍したシャルル・アズナヴール

アズナヴールは歌手だけでなく、80本以上の映画に出演した俳優でもありました。

派手な演技ではなく、自然で繊細な表現が高く評価されて、この映画でも主人公アンリの心情を見事に演じています。

 

原作者の作家ルネ・ファレは、普通の人々の日常を温かく描くことで知られていて、この作品も優しい視点で描かれています。

 

観光客の目でパリを見つめるヒロイン、パトリシアの新鮮な感覚によって、アンリもまた自分が暮らす街の美しさに気づいていく...

恋愛だけでなく、"見慣れたものを新しい目で見ること" の大切さも、この映画のテーマの一つ。

 

映画『八月のパリ』では、大きな出来事は何も起こりませんが、

限られた時間だからこそ生まれる恋や、何気ない日常の中の美しさ、人生には忘れられない季節があることを、静かに教えてくれる作品です。

アズナヴールの歌とともに楽しめば、1960年代の穏やかなパリの魅力をより深く感じられるでしょう。

 

世界中で公演活動を行ったアズナヴールですが、パリへの愛情を生涯持ちつづけました。

彼の作品では、パリは単なる舞台ではなく、この『八月のパリ』のように、街そのものが物語の一部としての存在感をもっています。

 

現在のパリは、8月は比較的落ちついてはいるものの、世界中から観光客が訪れるため、1960年代のように街全体が静まりかえることは少なくなりました。

 

この曲は、ゆっくりと時間が流れて、普段とは違う表情を見せる当時のパリの夏の、特別な空気感をつたえる貴重な作品でもあります。

 

 

 

「Paris au mois d'août 八月のパリ」の動画

 

シャルル・アズナヴールのライヴ動画です

リリースした年に、テレビの音楽番組「Ina chanson」で歌う42歳のアズナヴール。

Paris au mois d'août - Charles Aznavour (1966)

 

 

音質のよいリマスター版音源です

歌を覚えるのはこちらでどうぞ。

Paris au mois d'août - Charles Aznavour (Remastered in 2018)

 

 

アズナヴールとラウラ・パウズィーニのデュエット動画です

力強い歌声の87歳のアズナヴールと、イタリアの人気アーティスト Laura Pausini ラウラ・パウズィーニのデュエット。

アズナヴールは前半をイタリア語で、ラウラはすべてフランス語で歌っています。

サンレモ音楽祭で最優秀新人賞、イタリア人で唯一のグラミー賞(最優秀ラテンアルバム賞)を受賞して、国際的に活躍している実力派で、

世界中の大物アーティストたちとのコラボでも有名です。

Paris au mois d'août - Charles Aznavour & Laura Pausini (2009)

 

 

映画『八月のパリ』の動画をバックに、上でご紹介したラウラ・パウズィーニとのデュエット・バージョンが流れます。

ここではアズナヴールもすべてフランス語で歌っています。

Paris au mois d'août - Charles Aznavour & Laura Pausini

 

 

 

Youtube活用メモ

一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。

画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。

「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。

Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。

※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。

 

本サイト独自の発音表記について

フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。

 

シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について

r」は「」とひらがなの赤字で表記舌先を下の歯の裏に当てて、喉を震わせて発音します。

鼻母音」は「」を添えて表記鼻から息を抜きながら発音します。

an, em, en, em」は口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「」。

②「inim, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音

③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音

 

⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。

 

リエゾンやアンシェンヌマンについて

単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。

 

 

「Paris au mois d'août 八月のパリ」フランス語歌詞

単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。

同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。

 

 

印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)

印刷する場合はフランス語歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。

「Paris au mois d'août 八月のパリ」歌詞PDF(ルビつき)

「Paris au mois d'août 八月のパリ」歌詞PDF(ルビなし)

 

ルビつきフランス語歌詞

短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。

 

「Paris au mois d'août 八月のパリ」

 

[1]

Balayé par septembre,

バレイエ パ セフト~

notre amour d'un é

ノートゥムゥー ダ~

Tristement se démembre

トゥストゥモ~ ス デモ~

et se meurt au passé

エ ス ムァー パッセ

 

J'avais beau m'y attendre,

ジャヴェ ボォ ミ アト~ドゥ

mon cœur vide de tout

モ~ クァー ヴィドゥ ドゥ トゥ

Ressemble à s'y méprendre

ソ~ スィ メプドゥ

à Paris au mois d'août

ア パ オ ムワ ドゥー

 

[2]

De larmes et de rires

ドゥ ラ ドゥ

était fait notre amour

エテ フェ ノートゥムゥー

Qui redoutant le pire,

ドゥト~ ル ピー

vivait au jour le jour

ヴィヴェ トォ ジュゥー ル ジュゥー

 

Chaque rue, chaque pierre

シャク ュ、シャク ピエー

semblaient n'être qu'à nous

ソ~ブレ ネートゥ カ ヌゥ

Nous étions seuls sur terre,

ヌゥティヨ~ セウル スュ テー

à Paris au mois d'août

ア パ オ ムワ ドゥー

 

[3]

Pour te dire je t'aime,

プゥ トゥ ディー ジュ テーム、

aussi loin que tu sois

オッスィ ルワ~ ク テュ スワ

Une part de moi-même

ユヌ パー ドゥ ムワ メーム

reste accrochée à toi

ストゥ アクシェ ア トゥワ

 

Et l'autre solitaire,

エ ロートゥ ソリテー

recherche de partout

シェシュ ドゥ パトゥ

L'aveuglante lumière

ラヴゥグロ~トゥ リュミエー

de Paris au mois d'août

ドゥ パ オ ムワ ドゥー

 

[4]

Dieu fasse que mon rêve

ディウ ファッス ク モ~ ーヴ

de retrouver un peu

ドゥ トゥゥヴェ ア~ プゥ

Du mois d'août sur tes lèvres,

デュ ムワ ドゥー スュ テ レーヴ

de Paris dans tes yeux

ドゥ パ ド~ズィ

 

Prenne forme et relance

ヌ フォ ロ~

notre amour un peu fou

ノートゥムゥー~ プゥ フゥ

Pour que tout recommence,

プゥ ク トゥ モ~ス、

à Paris au mois d'août

ア パ オ ムワ ドゥー

 

 

フランス語歌詞(ルビなし)

リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。

 

"Paris au mois d'août"

 

[1]

Balayé par septembre,

notre amour d'un é

Tristement se démembre

et se meurt au passé

 

J'avais beau m'y attendre,

mon cœur vide de tout

Ressemble à s'y méprendre

à Paris au mois d'août

 

[2]

De larmes et de rires

était fait notre amour

Qui redoutant le pire,

vivait au jour le jour

 

Chaque rue, chaque pierre

semblaient n'être qu'à nous

Nous étions seuls sur terre,

à Paris au mois d'août

 

[3]

Pour te dire je t'aime,

aussi loin que tu sois

Une part de moi-même

reste accrochée à toi

 

Et l'autre solitaire,

recherche de partout

L'aveuglante lumière

de Paris au mois d'août

 

[4]

Dieu fasse que mon rêve

de retrouver un peu

Du mois d'août sur tes lèvres,

de Paris dans tes yeux

 

Prenne forme et relance

notre amour un peu fou

Pour que tout recommence,

à Paris au mois d'août