La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性

Sting スティングの『La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性』

 

二人で踊っても

君の足を踏んでしまう僕

 

僕が泣くと、君は笑い

嘘をついて僕を傷つける

 

君の話を聞いても

何をいっているのかわからない

 

それでも僕は

いつかわかりあえる日を待っている

 

 

イギリス人の Sting スティングが、フランス語で歌う『La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性』は、

愛しているのにお互いを理解できない男女の関係を描いた、ちょっと切なく、謎めいた恋の歌。

フランス語の美しい響きに魅せられたスティングが紡ぎだす、粋でお洒落なボサノヴァの世界をお楽しみください。

 

 

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」ってどんな曲?

 

作詞  Sting スティング

作曲  Sting スティング, Dominic Miller ドミニック・ミラー

歌  Sting スティング

発表年  1996年

Karafun 収録曲

 

 

歌詞はこのような内容です

 

踊りましょう、と君がいう

そして僕は

ぎこちないステップで

君の足を踏んでしまう

 

僕は愚かな人たちを恐れて

君の生き方を理解しようと

言葉を探すけれど見つからない

 

君は嘘をつくんだね、愛しい人

僕の心を傷つけて

 

君もわかっていると思うけれど

決して間違いを認めないよね

 

僕は聞いて、君が話す

でも、君のいっていることがよくわからない

 

後悔を知らない美しい人よ

後悔を知らない美しい人よ

 

僕が泣くと、君は笑い

僕が歌うと、君は叫ぶ

 

君が蒔く種は

悪い樫の木を育てるだけ

 

僕の大切な小麦は吹き飛ばされて

君はもうすっかり嫌気がさしている

 

僕はいつまでも待っているけれど

僕の叫び声は誰にも聞こえない

 

君は嘘をつくんだね、愛しい人

僕の心を傷つけて

 

君もわかっていると思うけれど

決して間違いを認めないよね

 

僕は聞いて、君が話す

でも、君のいっていることがよくわからない

 

後悔を知らない美しい人よ

後悔を知らない美しい人よ

 

踊りましょう、と君がいう

そして僕は

ぎこちないステップで

君の足を踏んでしまう

 

君は嘘をつくんだね、愛しい人

僕の心を傷つけて

 

君もわかっていると思うけれど

決して間違いを認めないよね

 

 

すれ違う恋の機微を、スティングがフランス語で歌っています

イギリスのアーティスト Sting スティングが、フランス語で歌う『La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性』は、

愛しているのに相手の気持ちや行動を理解できない、少し切ない恋を描いた曲。

踊ってもステップがあわず、女性のいっていることがよくわからない。一緒にいても、心は通じあっていない男女の恋。

 

"美しい女性" を愛すればこそ、男性は悩み、いつか通じあえる日を待ちつづけようとするけれど、

女性の方はどこか冷静で、自由です。

 

ここでいう “美しい女性” は、外見が美しいだけではなく、

人生を自由に生き、自分の考えをしっかり持ち、過去を振り返らず、相手の気持ちにあまり左右されない、自立した女性のこと。

男性にとっては、とても魅力的であると同時に、少し謎めいた不思議な存在です。

 

「Tu sèmes les graines d'un mauvais chêne 君は悪い樫の木の種をまいている」というフレーズは、

「君は悪い結果につながるものを作りだしている」という比喩で、

 

「Mon blé s'envole 僕の小麦は飛んでいく」は、

二人の関係がうまく育たず、自分が大切にしてきたものが失われていくことをイメージ。

 

スティングはそんな二人の関係を、静かに、少し距離をおいて眺めているような雰囲気で、

愛しているのに理解しあえない男女の微妙な距離間を、フランス語の美しい響きを使って、一つの恋物語に作りあげました。

 

曲のタイトルやテーマは、イギリスの浪漫派詩人 John Keats ジョン・キーツの詩『無情の美女(原題 La Belle Dame Sans Merci)』(1819年) からインスピレーションをうけているようです。

キーツの英語詩のタイトルがフランス語なのは、中世フランスの宮廷詩人 Alan Chartier アラン・シャルティエの恋愛詩に魅せられていたため。

『無情の美女』については https://sho.life.coocan.jp/dame.html に日本語の解説がありましたので、ご参考まで。

 

 

ボサノヴァと詩心が織りなす洗練された世界

 スティングと、長年の相棒であるギタリスト Dominic Miller ドミニク・ミラーとの共作で、1996年のアルバム『Mercury Falling』に収録されたこの作品は、

イギリス人であるスティングが全編フランス語で歌う初の楽曲となりました。

ミラーによるガットギターの繊細なプレイが、楽曲全体に極上のボサノヴァ・ジャズの雰囲気を与え、

しっとりと心地よいリズムに乗せて、複雑で大人っぽい恋愛のかたちをお洒落に描きだしています。

 

不思議な魅力を放つ "美しい女性" は、恐らくフランス人で、

イギリス人であろう振りまわされる男性は、切ない心情をフランス語で語りかけながらも、

どこかフレンチ・ミステリアスな女性像を楽しんでいるような遊び心が感じられます。

 

スティングのチャーミングな英語風のフランス語アクセントも魅力の一つ。もっとも本人は、「自分のフランス語はあまり上手ではない」といっていますが。

 

 

フランス語の美しい響きで独特の世界観を表現

スティングは以前から、フランス語独特の美しい響きや音楽性にとても魅力を感じていたアーティストです。

ポリス時代にもフランス語を使った曲「Hungry for You」を書いていますし、

1988年のツアーでは、Jacques Brel ジャック・ブレルの名曲 『Ne me quitte pas 行かないで』をフランス語で歌っていて、本サイトでもすでにご紹介しています。

 

フランス語にはとても豊かな音楽性があると話すスティングは、 "歌として美しく聞こえるフランス語" を大切にしているように感じられます。

それがよくわかるのが、この『La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性』で、

フランス語が単なる "歌詞の言語" ではなく、曲の雰囲気をつくるために重要な "音楽構成の一部" になっているのがよくわかります。

 

たとえば、

"Je pleure, tu ris 僕が泣くと、君は笑い"

"Je chante, tu cries 僕が歌うと、君は叫ぶ"

というように、自分と相手を対比する短い表現がいくつも出てきます。

短くリズミカルなフランス語の音の美しさが、男女の距離感やすれ違いをより印象的に表現しているのです。

 

フランス語の響きを借りて、フランス的な恋愛の世界を描いているのが、この作品だといえましょう。

 

 

自由に音楽を探求するアーティスト Sting スティング

Sting スティング(本名 Gordon Matthew Thomas Sumner ゴードン・マシュー・トーマス・サムナー)は、1951年、イギリス北東部の Wallsend ウォールズエンドで生まれました。

独学でギターや歌を学び、大学時代や教師時代には、地元のバンドで音楽活動をしていましたが、

1970年代後半にロンドンへ移り、ドラマーの Stewart Copeland ステュアート・コープランド、ギタリストの Andy Summers アンディ・サマーズとロックバンド「The Police ポリス」を結成。

ボーカルとベース、ソングライターとして活動を始めました。

『Roxanne』『Every Breath You Take』などが次々とヒットして、世界的なバンドになりましたが、人気絶頂期の1984年に解散。

 

"Sting 蜂の針" というステージネームは、地元のバンド時代に黒と黄色のボーダー柄セーターを着て演奏していたときに、「まるで蜂のようだ」と仲間につけられたニックネームに由来。母親や子供たちからもスティングと呼ばれているそうです。

 

1985年からソロ活動を開始したスティングは、ジャズとポップを融合させたソロデビューアルバム『The Dream of the Blue Turtles』を発表。

その後にリリースしたアルバムやパフォーマンスも大きな評価をうけて、さらに名声を高めていきます。

1994年に最優秀英国男性アーティスト賞受賞。ソロおよびポリスのメンバーとして、グラミー賞を17回受賞。

ソロ歌手としても大成功したスティングは、これまでに1億枚以上のレコードを売り上げた世界的なアーティストになったのです。

 

音楽活動以外にも、映画や舞台に出演し、自伝『Broken Music』も執筆。

故郷であるイギリス北東部の、造船業の衰退をテーマにしたミュージカル『The Last Ship』にも取り組みました。

世界的スターになった後も、自分が育った町や子どもの頃の記憶を大切にしていることがよくわかります。

 

ロックからジャズ、レゲエ、ボサノヴァ、フランス語のシャンソンまで、好奇心のままに音楽を探究しつづけ、

言語や音楽の枠にとらわれない、自由で探求心にあふれる、ますます魅力的なアーティストです。

 

本サイトでは、コンゴ出身のラッパー GIMS ギムスとコラボしている、私の大好きなノリノリの曲『Reste レストゥ』もご紹介しているので、ぜひお聴きください。

 

 

 

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」の動画

 

Sting スティングのオフィシャル音源です

ボサノヴァのリズムにのせて、英語風の発音でフランス語の響きを楽しみながら歌っているようなスティングの歌声です 。

La Belle Dame Sans Regrets - Sting (1996)

 

 

軽やかなインストゥルメンタル中心の演奏です

スティングと、Dominic Miller ドミニク・ミラー、アメリカのジャズ・トランペット奏者 Chris Botti クリス・ボッティの、粋のあった素敵なコラボ。後半にスティングのボーカルが入ります。

2004年リリースのクリス・ボッティのアルバム『When I Fall in Love』に収録されています。

La Belle Dame Sans Regrets – Sting & Dominic Miller & Chris Botti (2004)

 

 

エミリー=クレール・バーローのカヴァーです

スキャットが素敵な、カナダのジャズ・シンガー Emilie-Claire Barlow エミリー=クレール・バーローが、お洒落に歌っています。

こちらも、間奏やアウトロが長めのインストゥルメンタルで、ボサノヴァ・ジャズの雰囲気が楽しめます。

美しいフランス語の発音を含めて、女性が歌うときのご参考に。

私も彼女のヴァージョンで譜面を作って、歌い始めたところです。

La Belle Dame Sans Regrets - Emilie-Claire Barlow (2012)

 

 

 

Youtube活用メモ

一緒に歌う場合は、テンポを遅めにしたり、ループ再生にすると便利です。

画面をクリックすると右下に出る「歯車マーク」をクリックして、「再生速度」を 0.75 か 0.5 に設定しましょう。

「歯車マーク」の「その他のオプション」(パソコンの場合は右クリック)から「ループ再生」をオンにしましょう。

Youtubeサイトに移動せずに本サイト上で再生するとCMが入りません。

※すぐ歌われる場合は、こちらをクリックしてください。

 

 

本サイト独自の発音表記について

フランス語をできるだけ正しく発音するために、次のことをご確認ください。

 

シャンソニアネット独自のルビ表記と発音について

r」は「」とひらがなの赤字で表記舌先を下の歯の裏に当てて、喉を震わせて発音します。

鼻母音」は「」を添えて表記鼻から息を抜きながら発音します。

an, em, en, em」は口を大きく縦に開けた「オ」の形で「ア~」と発音オ~」「コ~」「ソ~」「ト~」など青字で表記。「r」につくときは「」。

②「inim, ein, ain, un, um」は口を横に開いた「エ」の形で「ア~」と発音

③「on, om」は、口を丸くすぼめて鼻から「オ~」と発音

 

⇒ その他の発音など、詳しくは「フランス語発音のポイント」「本サイトのルビについて」「歌う前の準備~歌ってみよう」をご参照ください。

 

リエゾンやアンシェンヌマンについて

単語を続けて発音する「リエゾンやアンシェヌマン」の箇所には下線を引いてあります。歌手により異なる場合もあります。

 

 

 

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」フランス語歌詞

単語一つずつではなく、歌のメロディやフレーズに合わせてルビの区切りを入れてあります。

同じ歌手でもアレンジやバージョンによって、また別の歌手が歌う場合なども、歌詞が異なる場合があります。

 

 

印刷用歌詞 PDF(ルビつき&ルビなし)

印刷する場合はフランス語歌詞(ルビつき&ルビなし)のPDFを下記よりダウンロードしてカラー印刷してください。

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」歌詞PDF(ルビつき)

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」歌詞PDF(ルビなし)

 

ルビつきフランス語歌詞

短めにフレーズを区切って表記していますが、スマホの場合は画面を横長にしてスクロールしながらご覧ください。

 

「La Belle Dame Sans Regrets 後悔のない美しい女性」

 

Dansons, tu dis

ド~ソ~、 テュ ディ

Et moi, je suis

エ ムワ、ジュ スュイ

Mes pas sont gauches

メ パ ソ~ ゴォーシュ

Mes pieds tu fauches

メ ピエ テュ フォーシュ

 

Je crains les sots

ジュ ク~ レ ソ

Je cherche en vain les mots

ジュ シェショ~ ヴァ~ レ モ

Pour m'expliquer ta vie, alors

プゥ メクスプリケ タ ヴィ、アロー

 

Tu ments, ma sœur

テュ モ~、マ スァー

Tu brises mon cœur

テュ ブィズ モ~ クァー

Je pense, tu sais

ジュ ポ~ス、テュ セ

Erreurs, jamais

、ジャメ

 

J'ecoute, tu parles

ジェクゥトゥ、テュ パ

Je ne comprends pas bien

ジュ ヌ コ~プ パ ビア~

La belle dame sans regrets

ラ ベル ダム ソ~

La belle dame sans regrets

ラ ベル ダム ソ~

 

<間奏>

 

Je pleure, tu ris

ジュ プルォー、テュ

Je chante, tu cries

ジュ ショ~トゥ、テュ ク

Tu semes les graines

テュ セム レ グーヌ

D'un mauvais chene

ダ~ モォヴェ シェーヌ

 

Mon blé s'envole

モ~ ブレ ソ~ヴォル

Tu en a ras le bol

テュ オ~ ル ボォル

J'attends, toujours

ジャト~、トゥジュゥー

Mes cris sont sourds

メ ク ソ~ スゥー

 

Tu ments, ma sœur

テュ モ~、マ スァー

Tu brises mon cœur

テュ ブィズ モ~ クァー

Je pense, tu sais

ジュ ポ~ス、テュ セ

Erreurs, jamais

、ジャメ

 

J'ecoute, tu parles

ジェクゥトゥ、テュ パ

Je ne comprends pas bien

ジュ ヌ コ~プ パ ビア~

La belle dame sans regrets

ラ ベル ダム ソ~

La belle dame sans regrets

ラ ベル ダム ソ~

La belle...

ラ ベル...

La belle dame sans... regrets

ラ ベル ダム ソ~...

 

Dansons, tu dis

ド~ソ~、 テュ ディ

Et moi, je suis

エ ムワ、ジュ スュイ

Mes pas sont gauches

メ パ ソ~ ゴォーシュ

Mes pieds tu fauches

メ ピエ テュ フォーシュ

 

Tu ments, ma sœur

テュ モ~、マ スァー

Tu brises mon cœur

テュ ブィズ モ~ クァー

Je pense, tu sais

ジュ ポ~ス、テュ セ

Erreurs, jamais

、ジャメ

 

Dansons, tu dis

ド~ソ~、 テュ ディ

Et moi, je suis

エ ムワ、ジュ スュイ

Mes pas sont gauches

メ パ ソ~ ゴォーシュ

Mes pieds tu fauches

メ ピエ テュ フォーシュ

 

Tu ments, ma sœur

テュ モ~、マ スァー

Tu brises mon cœur

テュ ブィズ モ~ クァー

Je pense, tu sais

ジュ ポ~ス、テュ セ

Erreurs, jamais

、ジャメ

 

 

 

フランス語歌詞(ルビなし)

リエゾン、アンシェンヌマンの箇所に下線をつけてあります。

 

"La Belle Dame Sans Regrets"

 

Dansons, tu dis

Et moi, je suis

Mes pas sont gauches

Mes pieds tu fauches

 

Je crains les sots

Je cherche en vain les mots

Pour m'expliquer ta vie, alors

 

Tu ments, ma sœur

Tu brises mon cœur

Je pense, tu sais

Erreurs, jamais

 

J'ecoute, tu parles

Je ne comprends pas bien

La belle dame sans regrets

La belle dame sans regrets

 

<Interlude>

 

Je pleure, tu ris

Je chante, tu cries

Tu semes les graines

D'un mauvais chene

 

Mon blé s'envole

Tu en a ras le bol

J'attends, toujours

Mes cris sont sourds

 

Tu ments, ma sœur

Tu brises mon cœur

Je pense, tu sais

Erreurs, jamais

 

J'ecoute, tu parles

Je ne comprends pas bien

La belle dame sans regrets

La belle dame sans regrets

La belle...

La belle dame sans... regrets

 

Dansons, tu dis

Et moi, je suis

Mes pas sont gauches

Mes pieds tu fauches

 

Tu ments, ma sœur

Tu brises mon cœur

Je pense, tu sais

Erreurs, jamais

 

Dansons, tu dis

Et moi, je suis

Mes pas sont gauches

Mes pieds tu fauches

 

Tu ments, ma sœur

Tu brises mon cœur

Je pense, tu sais

Erreurs, jamais